営業活動での成果が伸び悩んでいる場合、営業プロセスの標準化がされていないことが要因として挙げられます。
そこで本記事では、営業プロセスの標準化において以下のことを詳しく解説します。
- 営業プロセスの標準化とは?
- 営業プロセスの標準化が重要な理由
- 営業プロセスを標準化する5つのメリット
- 営業プロセス標準化の4ステップ
- 営業プロセス標準化で効果を上げるポイント
本記事を読むことで、営業プロセスの標準化について深く理解し、スムーズに営業部に落とし込んで生産性の向上を図ることが可能です。
営業プロセスの標準化を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
営業プロセスの標準化とは?
営業プロセスの標準化とは、営業プロセスを見直し最適化した上で、営業部全体に落とし込むことを指します。
営業プロセスは、以下の営業パーソンの業務の流れを可視化したものです。
- 顧客リストの作成
- リードの獲得
- ヒアリング
- 商談準備
- 商談・クロージング
- アフターフォロー
この営業プロセスを細かく「不要なところはないか」「効率的に進めるには」といった観点で見直していきます。
なお標準化をする際、一気にすべての営業プロセスを最適化する必要はありません。
課題点が多い営業プロセスや、成果に直結する営業プロセスをピックアップして取り組んでいくことで、効率的に標準化を進めることができます。
営業プロセスの標準化が重要な理由
営業プロセスの標準化は、自社の営業力を上げるために重要です。
営業プロセスにばらつきがある場合、営業パーソン個人のポテンシャルに頼ることになります。その結果、営業パーソンのスキルによって差が開き、安定した成果を獲得しにくくなってしまいます。
トップの営業パーソンを参考にし、営業プロセスの共有・標準化を行うことで、個人の力量に頼らず組織全体の営業力を最大化させることが可能です。
また、営業プロセスの標準化に伴いツールやマニュアルを整備できれば、人材育成も効率的に進められるようになります。
これからの営業活動は、個人ではなく組織で対策を取っていくことが重要です。効果的な標準化を行うことで、今後のマネジメントもしやすくなるでしょう。
営業プロセスを標準化する5つのメリット
営業プロセスを標準化する具体的なメリットは、以下の5つです。
- ボトルネックを発見しやすくなる
- 営業活動の進捗を把握できる
- 社員のモチベーション向上につながる
- スムーズな人材育成ができる
- ノウハウを共有してスキルの底上げができる
営業プロセスの標準化は、完了時のみならず取り組む過程だけでも多くのメリットが得られます。
メリット1|ボトルネックを発見しやすくなる
1つ目のメリットは、ボトルネックを発見しやすくなることです。
「営業活動がスムーズに進まない」「なかなか契約につながらない」といった課題に直面しているとき、営業プロセスのどこかに要因があることが考えられます。
- 営業活動がスムーズに進まない:資料の位置を把握しておらず、商談準備のプロセスが非効率的になっている
- 契約につながらない:ヒアリングが十分にできておらず、顧客の課題を浮き彫りにできていない
このように、営業プロセスの見直しおよび可視化により分析がしやすくなります。分析することでボトルネックを発見し、具体的な対策をとることができます。
また、もしその後同じ営業プロセスと要因で別の営業パーソンがつまずいてしまった場合、以前立てた対策法で解決することが可能です。
ボトルネックを発見するとともに、改善策のナレッジを蓄積できるところもメリットといえるでしょう。
メリット2|営業活動の進捗を把握できる
2つ目のメリットは、営業活動の進捗を把握できることです。営業プロセスの可視化により、各営業パーソンが現在どのプロセスを進めているのかがわかります。
営業パーソンには、適切な目標の設定やフィードバック、アドバイスなどの管理が必要不可欠です。
各営業パーソンの進捗を把握していなければ、一人1人に対して適切な指示を出すことができません。
より精度の高いマネジメントを行うためにも、営業プロセスの標準化は大切です。
メリット3|社員のモチベーション向上につながる
3つ目のメリットは、社員のモチベーションにつながることです。
営業活動においてよく陥りやすいのが、属人化です。属人化してしまうと、特定の営業パーソンが顧客対応で休みが思うように取れなかったり、反対に手のあいた営業パーソンがいても専門的な業務で対応できなかったりしてしまいます。
営業プロセスの標準化により属人化を防ぎ、営業パーソン同士でフォローし合える環境をつくります。フォローし合えることで、業務が効率化できモチベーションが向上するでしょう。
また、営業部全体が対応できるようになるため、顧客のフォローもスムーズになり顧客満足度も向上します。
メリット4|スムーズな人材育成ができる
4つ目のメリットは、スムーズな人材育成ができることです。
営業プロセスの標準化がされていないと新人の育成に時間がかかり、教育担当者の業務も妨げてしまいます。また、属人化を招く原因にもなりかねません。
標準化を行うことで高品質な営業プロセスがパターン化され、理想の人材育成がしやすくなります。
人材の流動性が激しい昨今では、スムーズな人材育成で新人を即戦力化させることが重要だといえるでしょう。
メリット5|ノウハウを共有してスキルの底上げができる
5つ目のメリットは、営業スキルの底上げができることです。営業活動では、営業パーソンによって成果の差が開きがちです。
そこで、標準化の際に優秀な営業パーソンのノウハウを共有します。例えば、使っている成功事例の資料や話法などが挙げられます。
ノウハウを共有することで組織全体のスキルアップができ、生産性を向上させることが可能です。
営業プロセス標準化の4ステップ
営業プロセス標準化の4ステップは、以下となります。
- 目的の明確化・共有
- 現状の把握・課題の発見
- 改善策の考案
- 改善策の導入
それぞれ具体的に解説するので、ご覧ください。
ステップ1|目的の明確化・共有
まずは、目的の明確化・共有を行います。
先述した通り、標準化の際はすべてのプロセスを一気に最適化するわけではありません。一気に手がけると落とし込むまでに時間や手間がかかりすぎてしまい、かえってモチベーションが下がってしまいます。
改善するところを絞り込み効率的に成果が出せるよう、目的を明確に捉えておくことが大切です。
また、目的を明確化するだけではなく共有することも重要です。正しく共有することでトラブルを防ぐ他、作業効率が上がった事例もあります。
ステップ2|現状の把握・課題の発見
次に、現状の把握と課題の発見に取り組みます。
具体的な改善案を出すためには、営業パーソンの現状を把握しなければいけません。例えば、電話で不在だった際の対応や提案書を送った後の対応など、細部までチェックして課題を発見しましょう。
課題を発見することができたら、改善案の考案に移ります。
ステップ3|改善策の考案
改善案の考案では、無駄な作業を減らし効果的な手法を取り入れていくことが大切です。
例えば先ほどのステップで把握した、電話で不在だった際の対応が「留守電を残しているだけ」「やみくもにかけ続けるだけ」だった場合は、電話をつなぎアポイント獲得のための改善案を考案します。
時間を変えて電話したり、電話以外の方法でアプローチしたりと組織全体でディスカッションして考えましょう。
組織全体で改善案を考案することで、上司や他の営業パーソンの知識を共有し、営業プロセス標準化へとつながります。
ステップ4|改善策の導入
改善案を策定したら、早速導入していきましょう。
ただし、改善策を導入する際は小さな改善策から始めることが大切です。大規模な改善策をいきなり導入してしまうと、体制を整えるのに時間がかかってしまいます。
モチベーションを高めるためにも、まずは効果を実感しやすい改善案から導入していくことをおすすめします。
営業プロセス標準化で効果を上げるポイント
営業プロセスの標準化で効果をあげるポイントは、以下の4つです。
- 営業活動の理解を深める
- 各プロセスの認識をそろえる
- ステップは細かくしすぎない
- 営業ツールも標準化する
それぞれ詳しく解説するので、標準化を実施する前にチェックしておきましょう。
営業活動の理解を深める
営業活動の理解を深めることは、適切な標準化を行う上で必要不可欠です。
理解が浅いと、導入に無理があったりモチベーションが下がったりとかえって営業活動を妨げる原因になってしまいます。
標準化に伴うコストを無駄にしないためにも、現場や組織全体の声を聞いておく必要があります。
また、営業活動だけではなく顧客を理解することも重要です。成果を挙げやすい改善案を考案するためには、顧客を深く理解していなければいけません。
例外に細かく対応した営業プロセスではなく、最初はオーソドックスな形で土台を作っていくとよいでしょう。
各プロセスの認識をそろえる
営業プロセスの標準化には、各プロセスの認識をそろえておくことが必要です。
例えば、同じクロージングのプロセスでも「口頭で契約する」「後々メールや電話で受注の有無を聞く」とゴールが異なる場合があります。
認識が異なると行動にもばらつきが出てしまい、効果的な標準化ができません。
全体のスキルを上げて安定した成果を出すために、改善案を導入する前には各プロセスの認識を明確にして共有しておきましょう。
ステップは細かくしすぎない
営業プロセスの標準化におけるステップは、細かくしすぎないことがポイントです。
最初から細かいステップにわけてしまうと、各ステップの認識がそろわないためスムーズに進行できません。また、全体像を把握しにくくなるので分析も難しくなってしまいます。
本記事でご紹介した4つのステップに分けて標準化を進めていくことで、運用・軌道修正もしやすくすることができます。
営業ツールも標準化する
営業プロセスの標準化に合わせ、各営業パーソンが使用している営業ツールも標準化しましょう。
営業ツールは資料やITシステムなど幅広くありますが、なかでもリードの獲得からアフターフォローまで使用頻度の高い電話・メールに着目します。
最適化した電話のトークスクリプトとメールスクリプトを用意することで、顧客の好感を得やすくなります。また、メールを考えたり入力したりする手間が省けるため、多くの顧客に一斉にアプローチすることが可能です。
生産性の向上につながるため、営業ツールも見落とさずにチェックしておきましょう。
営業ツール・コンサルティングの利用も効果的
営業プロセスの標準化には、営業ツールやコンサルティングの活用もおすすめです。
それぞれの特徴をまとめたので、効果的な標準化を行いたい方はぜひ検討してみてください。
営業ツール
標準化に活用できる営業ツールには、以下の種類があります。
- MA:マーケティングの自動化
- SFA:営業活動のデータベース化
- CRM:顧客情報のデータベース化
MAを活用することで、顧客一人1人に対して適切なアプローチを実施することができます。マーケティングの手間を減らし、効率的にリードを獲得できるツールです。
また、SFAでは実施した営業活動と見込み顧客の反応などの記録が可能です。レポートの作成や分析など、標準化に活用できる機能が豊富に搭載されています。
CRMでは顧客の購入履歴や過去の意見などを管理・共有できるため、営業部全体がすべての顧客に対してスムーズにフォローできるようになります。
営業コンサルティング
営業プロセスの標準化には、営業コンサルティングを活用するという手もあります。
営業コンサルティングは、営業活動のプロフェッショナルであるコンサルタントが課題の洗い出しから改善案の考案・導入まで総合的にサポートしてくれます。
コンサルタントのノウハウを用いて、最適な営業プロセスにすることが可能です。
また、営業コンサルティングではSFAなど営業ツールの導入を支援することもできます。体制を整えて維持していくためにも、営業ツールの運用は効果的です。
まとめ
本記事では、営業プロセスの標準化について詳しく解説してきました。
営業プロセスの標準化は、生産性の向上だけではなく長く安定した利益を獲得するために必要なステップです。
しかし、標準化は組織で取り組んでいくものであり、ノウハウが蓄積されていないスタートアップ企業などは特にハードルが高いです。
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