営業手法が多様化している昨今、従来の足で稼ぐ営業だけでは新規開拓の成果が上がらなくなってきていると感じている企業も多いのではないでしょうか。
どの業界でも競合が乱立している上にネットからも気軽に情報収集ができる現代では、顧客は1社だけをみて取引してくれる時代ではなくなりました。
そのため、他社との差別化を図る手段の1つとして新規開拓研修を導入し、営業部門のスキル底上げに注力する動きが活発化しています。
この記事では、新規開拓研修の概要、研修で学習できること、外部研修の選び方、おすすめの新規開拓研修会社について解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
新規開拓研修とは?
新規開拓研修とは、新規顧客との成約数、成約率を上げることを目標に自社の営業パーソンに行う研修のことをいいます。
この研修との対極にあるのがOJTです。OJTは上司や先輩の立場にある社員が実践の中で教育していく形式で、最もポピュラーな社員の育成方法です。
しかし、OJTを行う上司や先輩社員の指導力に頼らざるを得ないため、社員の成長にばらつきが出ることがよくあります。
OJTに頼ったことで社員のスキルにばらつきが出てしまっている場合、仮にトップの営業パーソンが退職したとすると、自社の業績が一気に悪化する可能性もあるでしょう。
そのため、新規開拓研修を導入して営業部門のスキル底上げに注力する動きが活発化しているのです。
主な研修内容は、基本的な営業プロセスを染み込ませるための復習・反復の徹底や、実際の営業シーンを想定したロールプレイングの実施などがあります。
新規開拓研修で習得できること
ここでは、新規開拓研修で学習できることについて解説します。代表的な学習内容を5つ紹介していきますので、ぜひご覧ください。
新規開拓営業の心構え
まずは新規開拓営業の心構えを学習していきます。営業力の底上げには、細かなテクニックの習得以前に正しい心構えを持つことが最も欠かせないポイントの1つです。
心構えの重要性を理解した上で、以下の3つをみていきましょう。
売れるまでのステップ(具体的な流れ)
新規開拓研修では、商品やサービスが売れるまでの具体的なステップを学びます。商品やサービスが売れるまでの一般的なステップは以下の4つです。
- 集客
- 見込み客のフォロー
- 販売と見極め
- ファンになってもらう
これらは総称して売れる仕組み4ステップとも呼ばれています。ひと口に営業といっても、ステップごとに営業パーソンに求められる要素は異なります。そのため、営業プロセスを広い視野で捉えながらステップごとに適切なアプローチを行う必要があるのです。
これらをOJTのみで満たそうとすると、OJTを行う上司や先輩の経験値や指導力などにより知識の習得に偏りが出る可能性があります。一方、新規開拓研修を実施すれば、体系的にスキルを習得できる環境をつくることができます。
営業はサイエンス(数値化の徹底)
「営業はサイエンスだ」ともいわれるように、営業においてはプロセスを数値化することが重要です。これにより、営業プロセスのどの部分をどう改善すべきかといった課題が明確になるため、自社の営業力底上げにつながるのです。
新規開拓研修では、数値化のコツやポイントを学習していきます。
例えば、先ほど解説した売れるまでの4ステップをそれぞれ数値化してみると以下のようになります。
- 集客
見込み客の総数、アプローチ数 など - 見込み客のフォロー
有効見込み客数、問い合わせ数 など - 販売・見極め
商談数、提案数、成約数、成約率、平均販売額 など - ファンになってもらう
リピート数、紹介率 など
自社の商品やサービス、営業手法などを踏まえた指標を設けることで、営業パーソンそれぞれの課題を明確にできます。
新規開拓研修では、数値化の重要性と具体的な指標の定め方、活かし方などを体系的に学習できるようなカリキュラムが組まれています。
営業活動の共有
新規開拓研修では、営業活動の共有も積極的に行われます。実施している営業や販促活動の成功事例、失敗事例を共有することが営業力の底上げに大きく役立つためです。
営業活動の共有は、ほかの事例を自分の営業活動に取り入れることができるだけでなく、営業パーソンに以下のようなよい心象をもたらします。
- このやり方が通用するなら自分にもできそう
- トップセールスのあの人でも失敗することがあるんだ
メンタル面が成果に影響しやすい新規開拓営業において、営業活動の共有は営業パーソンにとってモチベーションを維持するために必要なことです。このため、新規開拓研修では営業活動の共有が積極的に行われます。
事前準備
新規開拓研修では、事前準備の重要性やコツなども習得できます。しっかりとした事前準備ができていればアプローチの質や商談の質が格段によくなるため、営業パーソンにとって必ず押さえておきたいポイントです。
販売する商品やサービスによって事前準備の内容はさまざまですが、主なものとして以下を想定しておくとよいでしょう。
- 企業情報のチェック
- アポイント獲得までのトークスクリプト
- 顧客ニーズの想定
- 想定される顧客の断り文句
- 顧客に抵抗された際の対応策
- 商談時のゴール設定
一言でいうと、事前準備は先回りだといえます。新規開拓研修では、この先回りの重要性や具体的な事前準備を習得できます。これにより、丁寧な営業活動を行う力が身につくでしょう。
新規開拓営業のフロー
新規開拓研修では、営業パーソンそれぞれの営業フローのチェックも行います。これは本人が気付けていない営業活動の課題をピックアップしたり、さらに伸ばせるよい部分を発見したりなど、さまざまな効果をもたらします。
また、営業フローのチェックは本人と講師の間だけで行うのではなく、営業パーソン同士でグループディスカッションを行い、意見を出し合うのもよいでしょう。
新規開拓研修の場を通して営業フローの確認を行うことで、個別の改善点発見につながります。
マナー
営業マナーの学習と新規開拓研修とは相性がよいため、積極的に取り入れられる項目です。体系的にマナーを学べる機会はあまりないため、研修で改めて学ぶとよいでしょう。
マナーがよいことは信頼感や安心感につながり、成約率が高まることも期待できます。一方で、自分では気にならないことでも顧客目線では失礼にあたる場合があるため、研修を通して知識を習得しておいて損はないでしょう。
マナーについては経験が浅い新人営業パーソンを中心にした研修が多いですが、ベテランの営業パーソンに対しても定期的に研修を実施することが大切です。
商品やサービスの知識や経験が豊富なことにより、それだけである程度の成果が出てはいるものの、中にはマナー面が疎かになってしまっている営業パーソンもいます。
経験豊富なベテランの営業パーソンにマナーの重要性を改めて研修することで、さらなる成果の向上が望めるのです。マナー研修は全営業パーソンが定期的に受けられるよう整備するのがよいでしょう。
コミュニケーション術
新規開拓営業においての1つのゴールは、商品やサービスを販売することです。そのためには見込み客とのコミュニケーションが欠かせません。
そこで見込み客への適切なアプローチ方法、信頼関係を構築する方法などを新規開拓研修で学習することが、営業力の底上げにつながります。
商談におけるコミュニケーションの中で重要なポイントは、見込み客の本当の課題を引き出すことです。ヒアリングを通じて見込み客の本音を引き出すことができれば、見込み客への訴求方法が明確になり、結果として成約率の向上につながります。
これらの技術を体系的に学習する機会として、新規開拓研修のテーマに取り入れることで営業部門全体の成約率改善に役立つことでしょう。
新規開拓研修の選び方
では、どのように新規開拓営業の研修を選べばよいのでしょうか。この章では、新規開拓営業研修の選び方を3つ紹介します。
自社の社員教育と方向性があっているか
研修内容が自社の社員教育の方針と合っているかどうかの確認は重要です。自社の教育方針とあまりにかけ離れた研修を選んでしまうと、研修自体が無駄に終わるリスクが生じます。
例えば、自社では対話を通じた社員教育に重きを置いているにもかかわらず、スパルタ式で社員の気持ちを置き去りにした研修を選んだとしましょう。それによって社員に仕事に対する迷いが出たり、モチベーションが下がったりなど、むしろ目的から遠のいてしまいかねません。
とはいえ、どの研修会社を選べばよいか分からないといった場合は、業界に合わせた研修カリキュラムを組み立ててくれるようなカスタマイズできる研修を選ぶとよいでしょう。
実績が豊富か
研修効果の実績を見ることも重要なポイントの1つです。研修を受けた後にどのくらいの効果が出ているのかを確認することで、研修会社選びの参考にできます。
特に研修を受けた結果、売上がどのくらい上がったかなどの数値を参考にするとよいでしょう。新規開拓研修を実施する先に業績の向上という目的があるためです。
実績を確認する方法は、研修会社のWebサイトを参照するほか、直接問い合わせをするのもよいでしょう。
カスタマイズができるか
研修カリキュラムをカスタマイズできるかを見るのも重要なポイントの1つです。業界や企業によってさまざまな課題や解決法があるため、カリキュラムが固定された研修では十分な効果が期待できません。
研修を選ぶときは、企業ごとにカスタマイズしたカリキュラムを用意できるかどうかを確認してみてください。
新規開拓について学べる!おすすめの研修会社
株式会社ヴェリサイト
本当に結果が出る新規開拓研修とは、どのような研修でしょうか。それは業種や企業に合った内容について学べるカスタマイズできる研修です。
マニュアル一辺倒な研修では自社の課題に合わないリスクがあります。研修効果が得られなかった場合、費やした時間とコストが無駄になるのみならず、社員のモチベーションが下がる危険性もあるでしょう。
そのため本当に結果を出すには、それぞれの業界や企業に合わせて組み立てられる研修を選ぶことが重要です。
そこでおすすめの研修が、株式会社ヴェリサイトが提供するカスタマイズ研修です。カスタマイズ研修では、新入社員から管理職向けまで幅広いコンテンツが用意されており、企業の課題や問題に柔軟に合わせた研修を組むことができます。
机上の空論ではなく、営業現場にて収益向上につながることを目的とした研修が組めるため、短期間での育成が実現可能です。一時的な成果だけではなく、中長期的な成果につながるためのサポートも充実しているため、一度相談してみるとよいでしょう。
リクルートマネージメントソリューションズ
「実効性の高いマネジメントソリューションの提供により個と組織の健全な発展に貢献する」をミッションに掲げている株式会社リクルートマネージメントソリューションズ。
長きにわたり人材業界をけん引してきたリクルートグループが、これまで積み上げたノウハウと実績を強みに営業強化・変化支援のコンサルティングを提供しています。
個人と組織強化の2面からアプローチするサービスを提供しており、自主自立的に対応できる人材を育成することをゴールに掲げたコンサルティングが特徴です。
株式会社インソース
社会人育成のベンチャーとして創業された株式会社インソース。「あらゆる人が働く楽しさ・喜びを実感できる社会をつくる」を経営理念に掲げて人材育成サービスを提供しています。
同社が提供する営業研修は以下の3プランがあります。
- 営業プロセス管理~3階層並行教育プラン
- 全5回の営業研修でチームの営業力を強化するプラン
- オンライン商談時代の営業・マーケティング変革プラン
また、無料セミナーやメルマガの配信、Q&Aなど、外部研修を取り入れたことがない企業にもサービス内容が理解できるためのコンテンツが整っているのも特徴です。
まとめ
ここまで新規開拓研修の概要、研修で学習できること、外部研修の選び方を解説し、おすすめの新規開拓研修会社を紹介しました。研修を通して営業力の底上げができれば、自社の営業基盤がしっかりと固まっていくでしょう。
そして高い研修効果を得るためには、自社の課題に柔軟に対応できる研修の選択が欠かせません。株式会社ヴェリサイトでは、カスタマイズ研修を提供しています。
経験豊富なコンサル・マネジャーによる新規開拓営業の強化に特化した研修を組むことが可能ですので、ぜひ一度ご相談してみてください。