コロナ禍以降、急速に普及しているオンライン営業。しかし従来の対面営業とは手法が異なることから、導入に課題を感じている企業も多いのではないでしょうか。
本記事では、オンライン営業の現状、課題や解決策、成功事例について詳しく解説しています。
最後にはオンライン営業を自社で導入するのが不安という場合に、おすすめの解決策も解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
オンライン営業とは?
まずはオンライン営業の概要、オンライン営業の現状について解説します。
オンライン営業とは?
オンライン営業とは、Webカメラなどを使って顧客と直接会わずに商談する営業方法のことです。非対面営業の方法として、以前は電話やメール、手紙などしかなかったことから、顧客との信頼関係構築に時間がかかることがウィークポイントでした。
しかし最近は、Webカメラを使えるようになったため、ウィークポイントが解消されつつあります。
- 商談が手軽に行える
- 相手の顔が見える
- オンライン上で共有できる
以上3点から、対面営業と遜色ないクオリティの商談ができるようになりました。
このため、商談相手のところまで移動時間や荷物を運ぶ手間などが軽減されることから、営業効率を飛躍的に高められる効果が生まれています。
オンライン営業の現状
先述したように、オンライン営業を上手に活用することで営業効率を上げられるものの、実は日本ではまだ欧米と比べて導入率が高くありません。
しかし、近年では徐々にオンライン営業に切り替えている企業が増えてきています。特にコロナ禍以降は、対面営業の代替手段としてオンライン営業を選択するケースが一気に増えました。
また、オンライン営業に消極的だった企業でさえも、顧客側からオンライン商談の打診を受けたことをきっかけに、本格導入に踏み切ることが多いようです。
オンライン営業は、実際に導入してみて初めて利便性を実感することが多いため、今後は日本でもさらに導入率が上がっていくことが予想されます。
オンライン営業のよくある課題
- オンライン営業のニーズが高まっていることは分かった
- オンライン営業ならではの課題があれば知りたい
このような方のために、ここではオンライン営業を運用するときの代表的な課題を4つ紹介します。
- Web会議システムを使いこなせない
- 音声の不具合が生じる
- コミュニケーションが上手くいかない
- クロージングが上手くいかない
それでは1つずつ解説をしていきます。
Web会議システムを使いこなせない
1つ目は、Web会議システムを上手く使いこなせないことです。Web会議システムは、使用するシステムによって機能性や操作方法が違います。これにより資料や映像が共有できないなどのトラブルが発生する場合があるでしょう。
また、商談相手からWeb会議ツールを指定される場合もあります。自社が通常使用していないツールを指定されたときは、その都度操作方法の確認が必要です。
ほかには、ネット環境やPCの調子が悪いことでWeb会議への入室ができないという問題が発生する可能性もあります。そうなると商談を始めることさえできなくなるため注意が必要です。
音声の不具合が生じる
2つ目は、音声の不具合が生じることです。Web会議中に音声が途切れる・途絶えるということもオンライン営業ではよくある問題の1つです。
例えば、以下のような原因が挙げられます。
- Web会議ツールが古いバージョンのまま
- ネット環境が悪い
- 周辺環境が悪い
- 接続機器に問題がある
映像が途絶えただけの場合は、音声のみの会話で補うことが可能ですが、音声が途絶えてしまうと商談が一切できなくなります。そのため音声のチェックは入念に行いましょう。
コミュニケーションが上手くいかない
3つ目は、対面営業と比べてコミュニケーションが取りづらいことです。オンライン営業では相手の温度感や表情といった非言語情報を読み取りづらい弱点があります。
特にネット環境が悪いときは、時間のズレが生じてスムーズに会話ができず、相手にストレスを与えてしまいます。これにより、ヒアリングが不足してしまい顧客のニーズに沿った提案につながらない場合があるため注意が必要です。
オンライン営業を行うときは、こうした課題があることを理解した上で相手にしっかりと気を配り、対面営業以上にコミュニケーションの取り方を工夫しましょう。
クロージングが上手くいかない
4つ目は、クロージングが上手くいかないことです。オンライン営業では会話のペースがつかめずに、クロージングのタイミングを見失う方も多いでしょう。
オンライン営業が普及してまだ日が浅いこともあり、経験が十分に蓄積されていないことも要因の1つと考えられます。
しかし、オンライン営業であってもクロージングは欠かせません。対面・オンラインに限らず、ゴールや目的があり達成することが重要です。適切なタイミングでクロージングができるよう工夫と準備を行いましょう。
オンライン営業の課題解決策7選
ここまでお伝えしたように、オンライン営業では独特の課題があります。しかし課題をクリアすることで効率的な営業活動が実現できることもオンライン営業の特徴です。
ここではオンライン営業ならではの課題に対する代表的な解決策を7つ紹介します。
- 使い方を確認しておく
- マイクとスピーカーを用意する
- 事前の資料を作成、共有する
- アイスブレイクを行う
- 台本を準備しておく
- その場で次のアクションを確認する
- 対面営業を併用する
それでは1つずつみていきましょう。
1.使い方を確認しておく
まずは使い方や操作方法などを事前に都度チェックしておきましょう。過去に同じWeb会議ツールを使った場合でも、スピーカーなどの音声機器やタブレットやPCなどのデバイスが変わるだけで正常に作動しないことがあるため、徹底した確認を心がけましょう。
少なくともWeb会議前には必ずチェックしておくことをおすすめします。万が一不具合が起きたときに余裕をもって対処できるよう、前日にチェックしておくのもよいでしょう。
代表的なチェック項目は、以下の通りです。
- 映像の伝送
- 音声
- 画面共有の操作
このほかにも、モニターや他の機器に接続することがあれば追加でチェックしておくことで、万全の体制でオンライン営業に臨めるでしょう。
2.マイクとスピーカーを用意する
オンライン営業では、マイクとスピーカーを用意するのがよいでしょう。PCやタブレットなどに内臓されているものでも使用可能ですが、よりクリアな音声でオンライン商談を進行するためにも、マイクとスピーカーを別で用意することが望ましいです。
特に、オープンスペースなどでオンラインの商談を行う際は注意が必要です。周囲の雑音が入ってくることで相手に不快感を与えてしまう懸念が生じます。
また、こちら側も相手の音声が聞こえづらくなり、スムーズなヒアリングができなくなる可能性もあるでしょう。これにより、商談の質が低下し、成約率にも影響しかねません。
マイクとスピーカーを準備して、万全の態勢でオンライン営業に臨めるようにしておきましょう。
3.事前の資料を作成、共有する
当日の資料をあらかじめ作成して、事前に相手と共有することも大切です。資料を事前に共有することで、顧客側は要望や質問なども事前に揃えることが可能になります。
さらに、事前に共有した資料に関する質問などを確認しておくことで、顧客の要望に合った提案内容に組み替えることも可能となるでしょう。つまり、オンライン営業当日を迎える前に商談の質を高められるのです。
当日の時間を有意義なものにするためにも、事前に資料を共有することをおすすめします。
4.アイスブレイクを行う
オンライン営業においてもアイスブレイクは重要です。オンライン営業の場合は、対面営業と違って顧客との距離感を詰めにくいという弱点があります。
対面営業の場合は、本題に入る前に名刺交換や自己紹介をすることがアイスブレイクのきっかけとなりますが、オンライン営業ではそのきっかけがありません。そのため、いきなり本題に入ってしまう場合もあるでしょう。
商談の場が温まらないまま会話を続けると、顧客の本当の課題を引き出せずに終わってしまう、ということが起きてしまいます。
これらを防ぐためにも、オンライン営業だからこそアイスブレイクを挟む意識を持つことが大切です。アイスブレイクでは、顧客の情報をホームページなどから事前に確認しておき、顧客が行っている事業に理解を示すスタンスで臨むとよいでしょう。
ただし、なかにはすぐ本題に入りたいという顧客もいるため、反応を確認しながらアイスブレイクの時間を調節するなどの工夫は必要です。
5.台本を準備しておく
もし商談に自信がないというときは、台本を準備しておくとよいでしょう。どのようなタイミングでどの話を切り出すかといった流れを事前につくっておくと、話の展開に困ったときに有効です。
特にオンライン営業では、台本を手元に置いていても違和感がありません。対面営業では台本が顧客に見えるため手元に置きにくいですが、オンライン営業ではその心配は無用です。
よい台本に仕上げるために、台本を元にロープレを行い、上司や先輩、同僚などに修正点を指摘してもらうことで、より実践的な台本に仕上がります。
ひとりよがりな台本とならないよう、第三者の意見を取り入れることも大切なポイントです。
6.その場で次のアクションを確認する
対面やオンラインに限らず、商談の場で次のアクションを確認することは極めて重要なポイントの1つです。
具体的には、クロージングの後に「いつ頃までにどんな返事をもらえるのか」を確認しておくとよいでしょう。また、その場で内諾が取れたときも今後の流れを確認しておくことが大切です。
ちなみに、次のアクションの確認が漏れると以下のようなリスクが高まります。
- 商談時は高かった顧客の熱が冷める
- 同業他社の製品やサービスに気持ちが傾く
- 忙しい顧客の場合、製品やサービスを検討する優先順位が下がる
このように、次のアクションを確認しなかった場合成約率が下がる懸念が生じます。顧客を最後まで導く感覚で取り組みましょう。
7.対面営業を併用する
成約率を上げつつ顧客満足度も高めるためには、やはり対面営業との併用が欠かせません。
オンライン営業は、効率的な営業活動が可能ですが、、顧客によってはオンライン営業に抵抗感を持っている場合もあります。顧客の価値観を配慮せず、オンライン営業のみで完結しようとすると、信頼関係を損なう危険性が高まるでしょう。
また、オンライン営業に抵抗感がない顧客に対しても、オンライン営業に終始することで「自分を軽く扱われた」といった印象に変わってしまうケースもあります。
オンライン営業が普及してきた現代だからこそ、対面営業も上手く取り入れることで顧客との信頼関係が構築しやすくなります。
- わざわざ自社まで足を運んでくれた
- 自社のことを真剣に考えてくれている
顧客にこうした印象を与えることで、商談がよりスムーズに進められることが期待できます。オンライン営業と対面営業の双方のメリットを活かしながら緩急をつけた営業活動を行っていきましょう。
オンライン営業での成功事例
ここではオンライン営業での成功事例を4つ紹介します。成功事例を知ることで具体的な導入のイメージがつきやすくなるため、ぜひ参考にしてみてください。
商談数の増加|東日本電信電話株式会社
東日本電信電話株式会社では、オンライン営業の導入によりヒアリング精度が上がったことで商談時間の短縮が実現できています。
これまでは、ICTのみを使ったインサイドセールスに終始していましたが、顧客へのヒアリングが不十分でニーズの把握に課題があったため、オンライン営業に踏み切りました。
これによりヒアリングの精度が上がり、効率的な営業が実現。なかには商談数が3倍に増加した営業社員が出るなどの効果が出ています。
新規受注数の増加|エン・ジャパン株式会社
エン・ジャパン株式会社では、オンライン営業の導入により商談の件数や新規の成約数が大幅に増加しています。
これまでは、商談場所への移動時間が長かったことにより、商談時間が少なくなるという課題がありました。そのため、営業効率を改善して商談時間を多く取れるようにとオンライン営業を導入。
これにより、商談数や受注数が増加しただけではなく、交通費や移動時間が少なくなり、各種コストの削減などの効果も出ています。
営業工数の削減|株式会社フルスピード
株式会社フルスピードでは、オンライン営業を導入した結果、月に100時間もの営業工数の削減が実現できています。
これまでは対面営業を重視していたため、1社につき1時間から2時間ほどの移動時間をかけていました。しかしそれでは商談件数に限界があり、解決策としてオンライン営業の導入に踏み切っています。
社内も含め、全ての会議や打ち合わせといった全てをオンラインに切り替えました。これにより、顧客への移動時間だけで月100時間という大幅な営業工数の削減に成功しました。
新人研修期間の大幅短縮|パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社では、オンライン営業を導入し、さらにそれを教材化したことで、新人研修期間が8カ月から3カ月に短縮できています。
これまで新入社員や営業経験が浅い社員に対する技術指導に課題を感じていました。通常の対面営業の場合、商談に同席することで先輩営業パーソンの技術を習得できますが、録画するわけにはいかないため、繰り返し学ぶことはできません。オンライン営業であれば、録画した商談記録を教材として利用し、繰り返し見て学ぶことができます。
具体的には、成績がよい社員の商談の様子を録画して社内共有し、ほかの社員が参考にできるようにしました。そして各々でアレンジできるような仕組みも整えています。
これにより研修期間を5ヶ月も短縮することができました。
人員不足なら営業代行でリソースを確保できる
オンライン営業がさまざまな面で、営業活動を効率的にし、有用な手法であることは確かです。しかし、自社にオンライン営業を導入することはハードルが高い、実際に結果が出るのか不安が残る場合もあるでしょう。
もし人員不足を解消するためにオンライン営業を検討しているのであれば、営業代行という手段もあります。営業活動は必ずしも自社のリソースのみで行う必要がないため、営業代行を活用しながら自社の課題を解決に導くことも1つの手段です。
営業代行会社は、自社の課題に合わせて最適な解決方法を提案・実行してくれるといった、カスタマイズ型のサービスを提供している会社もあります。
オンライン営業の導入に迷う、リソースが足りないといった悩みがある場合は、営業代行会社の活用をおすすめします。
まとめ
ここまでオンライン営業の課題や解決策、成功事例を解説しました。
オンライン営業を自社で運用することが不安、自社内ではリソースが足りない、でもオンライン営業の導入を前向きに検討したいといった場合には、株式会社ヴェリサイトの営業支援を受けることをおすすめします。
株式会社ヴェリサイトは、営業コンサルティングや営業アウトソーシング、営業代行などの営業支援事業を展開している会社です。
実績あるマネジャー・コンサルタントや徹底したトレーニングを受けた人材が在籍しているため、さまざまな営業シーンにおける課題を解決に導きます。
些細なことからでも相談が可能なため、株式会社ヴェリサイトにぜひお問い合わせください。