BtoBの営業プロセス|営業活動の効率を上げるポイントを紹介!

「営業活動の効率を上げるポイントを知りたい」
「BtoBの一般的な営業プロセスを改めて把握しておきたい」

本記事は、上記のような悩みを抱えている方に向けた記事です。

BtoB営業はBtoC営業と比べて、購買プロセスが複雑で検討に長い時間がかかるといった特徴があります。

そのため、成約につなげるにはBtoBの特徴をしっかりと理解し、それぞれの企業に合わせた戦略的なアプローチが必要です。

本記事ではBtoBの一般的な営業プロセスを解説した上で、営業活動の効率を上げるポイントをご紹介します。ぜひ参考にしてください。

BtoB営業の特徴

BtoB営業の特徴は、主に以下4つが挙げられます。

  • 全体のニーズから優先順位を付けて提案する
  • 担当者と決裁者が異なる
  • 検討に長い時間がかかる
  • 大きな成果につながりやすい

効果的な営業活動を展開するためには、BtoB営業ならではの特徴を理解しておくことが大切です。以下で詳しく解説しているので、チェックしてみてください。

全体のニーズから優先順位を付けて提案する

BtoB営業では、顧客のあらゆるニーズから優先順位を付けてソリューションを提供することが大切です。なぜなら、顧客のニーズは必ずしも全て同じ重要度ではないからです。

例えば「業務効率を向上させたい」「社員の営業スキルの向上を図りたい」「営業プロセスを標準化したい」など顧客のニーズが多岐にわたる場合は、重要度が高く、かつ緊急性のあるニーズは何かを考え、優先順位の高いものから適切な解決策を提案する必要があります。

こういったアプローチにより、特定の目標や成果を追跡しやすくなるため、自社のソリューションの価値を高めることができます。

担当者と決裁者が異なる

BtoB営業は多くの場合、商談を進める担当者と最終的に購買を決定する決裁者が異なります。

そのため営業パーソンは、先方の担当者だけでなく、決裁者に対しても商材の価値を感じてもらえるようなアプローチを行わなければなりません

ただし、相手企業の決裁者は誰なのか、決裁フローがどのようになっているかを把握していないと、適切なアプローチを行うことが難しくなります。
そのため、これらの情報を早い段階で担当者から聞き出しておくことが大切です。

BtoB営業においては、決裁者を納得させて初めて契約につながるため、説得力のある提案やアプローチ方法を検討する必要があります。

検討に長い時間がかかる

BtoBの取引は、商品やサービスの選定から稟議(りんぎ)の承認、予算の確保まで、複数の関係者が関与するため、意思決定に長い時間がかかるのが一般的です。

顧客は、十分な調査をしたり他社と比較したりすることで、自社にとってどの選択が最も有益かを慎重に判断します。

また、組織内での合意形成や各部門の承認プロセスを経て進められるため、情報収集や調整の時間も必要となります。

そのため、営業パーソンは長い時間をかけて複数回にわたる商談を繰り返さなければなりません。

このような状況で成約につなげるためには、継続的に有益な情報を提供し続けるなど、営業パーソンの忍耐力が求められます。

大きな成果につながりやすい

BtoB取引は、取り扱う商材や金額の規模が大きいため、1つの取引が企業の収益や成果に大きく関わってきます。商材によっては1つの取引で数百万、数千万の金額が動くことも珍しくありません。

しかし同時に競争も激しいため、成果につなげるためには緻密な計画と誠実なアプローチが求められます。その分、顧客との信頼関係を築き、適切なタイミングで提案を行い、顧客のニーズに応えることができれば、大きなリターンが見込めるでしょう。

BtoBの営業プロセス

BtoBの営業プロセスは一般的に以下のステップで進められます。

  • ターゲットリストの作成
  • アポイントの獲得
  • 訪問の準備・リサーチ
  • ヒアリング
  • 商材の提案
  • クロージング
  • フォローアップ

それでは各ステップを詳しく見ていきましょう。

ターゲットリストの作成

BtoB営業でまず行うことは、ターゲットリストの作成です。
ターゲットリストとは、見込み顧客の企業名や連絡先、担当者名などを記載したリストのことで、アタックリストとも呼ばれています。

営業活動を効率よく継続的に行うためには、質の高いターゲットリストが欠かせません。
見込みが高い企業とそうでない企業を初期段階で見極めておくことで、無駄な営業活動を減らすことができます。

また、リスト化されることで社内での情報共有が容易になる他、スピード感を持って顧客にアプローチできるといったメリットがあります。

ターゲットリスト作成時のポイントは以下の3つです。

  • 定期的にリストを更新する
  • 営業リストの作成ツールを活用する
  • データの重複を避ける

なお、これまでアプローチしたことのない業界・業種のリストを作成する場合は、外部に依頼して確度の高い営業リストを作成してもらうのがおすすめです。

アポイントの獲得

ターゲットリストを作成できたら、記載されている企業に電話やメールでアプローチし、アポイントを獲得していきます。

アポイントを獲得するには、自社の商材に興味を持ってもらう必要があるため、簡潔に分かりやすく伝えることが大切です。

電話とメールそれぞれのアプローチでは以下を参考にしてみてください。

【電話でアプローチする際に注意したいポイント】

  • 迷惑にならない時間帯に電話をかける
  • 長くなりすぎないよう簡潔に分かりやすく話す
  • 具体的な日時を提示しアポイントを取り付ける
【メールでアプローチする際に注意したいポイント】

  • 開封したくなるような件名をつける
  • 送信時間に配慮する
  • 資料の添付漏れに気を付ける

訪問の準備・リサーチ

アポイントを獲得したら、訪問の準備と企業のリサーチを行います。
初回訪問の目的は、顧客との信頼関係を構築することと、顧客の状況や抱えている課題を引き出し、次回の訪問に向けた情報収集を行うことです。

そのため、初回訪問の提案書は伝えたいことを盛り込むのではなく、顧客の課題を引き出せるような構成で作ることがポイントです。

【初回訪問前にやるべきこと】

  • 商談相手の企業について調べる
  • 企業状況からニーズを絞り込む
  • ヒアリング内容を決めておく
  • 提案内容の仮説を立てる
  • アポイントの確認連絡をする

訪問前の事前準備は、そこで営業のレベルが分かるといわれるほど重要なステップです。

商談での対話をより有益なものにしビジネス機会を逃さないためにも、しっかりと事前準備・リサーチを行いましょう。

ヒアリング

実際に商談が始まったら、まずはヒアリングを行っていきます。
事前準備で用意したヒアリング内容をもとに、顧客のニーズを探ってみましょう。

ポイントは、できるだけ顧客から多くの情報を聞き出すことです。
緊張で自分が話し過ぎてしまい、肝心の情報を聞き出せなかったということがないように注意しましょう。

また、ヒアリングは顧客の潜在ニーズを引き出すためにも重要です。
潜在ニーズは顧客自身も気付いていない無意識下にあるニーズのため、あらかじめ用意していた質問項目を読み上げるだけでは把握できません。

顧客が何気なく発した言葉の中に、たくさんのヒントが散りばめられていることがあるため、一言一言聞き逃さず深掘りするヒアリングが大切です。

商材の提案

ヒアリングを通じて得た情報をもとに、顧客に対して商材の提案を行っていきます。
提案では「自社の商材を取り入れることでどのように課題解決につながるか」「目標達成にどのように寄与するか」を的確に示せるかがポイントです。

この段階で、顧客に対して自社の商材を押し付けることは避けましょう。
過度な提案は自社へのイメージダウンにつながるため、一度に多くの情報を与えるのではなく、顧客が欲している情報から段階的に提供することが大切です。

自社商材を効果的に提案するためには、以下の3つを意識しましょう。

  • 相手が欲している情報を先に伝える
  • 実際の導入事例を交えて話す
  • 他社商材との比較を用いる

クロージング

競争の激しいBtoB市場では、顧客は複数の選択肢を持っていると考えられるため、クロージングがとても重要なステップとなります。

クロージングの過程で顧客のニーズに対し付加価値を提供できれば、競合他社との差別化を図ることができます。

ただし、クロージングのタイミングを誤ると顧客の購買意欲が低下してしまうだけでなく、不信感を抱かれてしまう可能性もあるため注意が必要です。

そのため、自社の商材に対して顧客が肯定的な考えになっているとき(導入後のイメージを思い描いている状態のとき)を見計らってクロージングを行うことが大切です。

なお、クロージングを成功させるためには、以下のテクニックを活用するとよいでしょう。

  • 自社の商材を契約しない理由をなくす
  • 選択肢を用意しておく
  • テストクロージングを行う

フォローアップ

売れたらそれでおしまいではなく、その後のフォローアップも忘れずに行いましょう。
「商材が正しく活用できているか」「不都合な点はないか」など、顧客の状況を確認し、定期的にコミュニケーションをとることが大切です。

これにより、顧客と持続的な信頼関係を築くことができ、その後も自社の商品・サービスを購入してくれるリピーターとなる可能性が高まるでしょう。

また、定期的に連絡をとっておくことで、顧客の新たなニーズや悩みをすぐにキャッチできるため、競合他社に自社のポジションを奪われることも防げます。

【BtoB】営業活動の効率を上げるポイント

BtoB領域で営業活動の効率を上げるポイントは、主に以下の5つが挙げられます。

  • 決裁者を意識する
  • Webマーケティングと営業を掛け合わせる
  • リモート営業を活用する
  • インサイドセールスを導入する
  • 業務の一部を外部に委託する

1つずつ詳しく解説していくので、自社の営業活動に取り入れられそうなものはないかチェックしてみてください。

決裁者を意識する

BtoB取引を成功させる上で最も重要なポイントは、提案している商材の決裁者は誰なのかを早い段階で見付けることです。

決裁者もしくは一定の金額を動かせる立場の担当者に直接提案ができれば、より成約につながりやすくなります。

しかし、顧客の企業規模が大きくなればなるほど、決裁者との商談機会を得るのはハードルが高いのも事実です。

その場合は、稟議(りんぎ)が通りやすい資料を別途作成するなど、企業の決裁者や決裁フローに合わせたアプローチが必要です。

Webマーケティングと営業を掛け合わせる

2つ目のポイントは、Webマーケティング部門と営業部門を連携させることです。
Webマーケティングとは、インターネットやWebサイトに人を呼び込み、自社の商品・サービスの販売やブランディングを行うための一連の取り組みを指します。

マーケティング部門の役割は、市場調査やプロモーション、ブランディングなどを組み合わせて「商品・サービスが売れる方法を考える」ことです。
一方、営業部門は自社の商材を見込み顧客に「売る」役割を担っています。

この2部門をうまく連携させ「マーケティング部門が育てた見込み顧客に対し、営業部門が適切なタイミングでアプローチする」ことが実現できれば、営業活動の効率を格段に向上させられるでしょう。

リモート営業を活用する

新型コロナの影響もあり多くの企業でリモートワークが推奨されている中、商談から契約までのプロセスを非対面で行う「リモート営業」が主流になっています。
これからの時代、営業活動を効率的に行うためにはリモート営業が欠かせません。

リモート営業を活用することで、遠隔地にいる顧客と商談を行えるため今まで移動にかかっていた時間を削減できる他、営業活動のエリアを拡大できるといったメリットがあります。

また、Web会議ツールの録画機能により商談の記録が容易になることで、商談中のメモ書きや議事録の作成などの手間を省くことも可能です。

このようなメリットは、特に人材不足に悩む企業にとって効率的な営業活動を行う上での有効な手段となるでしょう。

インサイドセールスを導入する

営業活動を効率的に行うためには、インサイドセールスの導入も有効です。

インサイドセールスとは、メールや電話、Web会議ツールなどを用いて非対面で行う営業活動のことで、その業務スタイルから内勤営業とも呼ばれています。

従来の営業パーソンは、ターゲットリストの作成からフォローアップといった一連の営業プロセスを全て1人でこなす必要がありました。

しかし、インサイドセールスが置かれることでアポイント獲得までを別の担当に任せられるため、見込み顧客に効率よくアプローチできるというメリットがあります。

こういった営業活動の分業化は、業務の効率化や売上向上が期待できることから、多くの企業で取り入れられています。

業務の一部を外部に委託する

営業活動の効率化を実現するためには、業務の一部を営業代行会社やコンサルティング会社に委託することも有効な手段です。

業務の一部を外部に委託することで、これまで自社の営業にかかっていた作業負荷を軽減できるため、営業メンバーに余力が生まれ、コア業務に注力しやすくなります。

営業代行会社やコンサルティング会社が抱える人材は、営業経験が豊富で幅広い業界のノウハウを持ち合わせているため、専門的な角度からアドバイスをもらえる他、短期間での成果が期待できるでしょう。

外部に委託できる業務は、主に以下のようなものが挙げられます。

  • ターゲットリストの作成
  • 新規開拓
  • 商談、交渉
  • クロージング
  • イベントやセミナーへの集客

まとめ

本記事では、BtoB営業の特徴と営業プロセス、営業活動の効率を上げるポイントを解説しました。

組織全体の売上向上には営業活動の効率化が欠かせません。
営業活動の効率を上げるためには、マーケティング部門との連携やインサイドセールスの導入、一部の業務を外部に委託するなどの方法があります。

もし、まだ自社の営業活動に取り入れられていないものがあれば、実践できそうなものから少しずつ取り入れてみるとよいでしょう。

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