昨今、ニーズの多様化やインターネットの普及により営業パーソンに求められるスキルは高まっています。売上を上げるためには、新人だけではなく中堅社員や管理職の知識、スキルのアップデートが欠かせません。
そこで本記事では、営業研修に関して以下のことを解説します。
- 営業研修の目的
- 営業研修の費用相場
- 成果が出にくい営業パーソンの特徴
- 営業研修を活用する際のポイント
- 営業研修でおすすめのプログラム
本記事を読むことで、営業研修を効果的に活用できます。それぞれ詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
営業研修の目的は個人・企業の売上アップ
営業研修の目的は、個人や企業の売上を上げることです。現状では個人の努力や実力に頼ってしまい、売上が伸び悩んでいる企業も少なくありません。営業研修を取り入れることで、企業全体のスキルの底上げができます。その結果、売上アップや生産性向上につながるでしょう。
また営業研修を実施している企業でも、十分なノウハウがないために思うように効果を発揮できないケースもあります。
ノウハウが不足しているときは、外部研修を取り入れるのがおすすめです。外部研修では、今までになかった知識やスキルを取得できます。異なる視点からの教えを受けることで視野が広がり、営業パーソンの成長と売上アップが見込めます。
簡単に情報を得られる時代だからこそ!営業研修の需要増
インターネットやSNSの発展で、顧客はより多くの情報を手軽に入手できるようになりました。そのため、企業側もより競争力のある商品やサービスを提供したり、他社よりも優れた提案をしたりする必要があり、営業研修の需要が増えています。
営業研修を受けることで、営業スキルの向上や、市場動向や競合情報などのノウハウを習得することができます。
このようにして、営業研修では顧客に対して、より適切な情報提供や商品の提供ができ、企業の競争力を高めることができるとされています。
営業パーソンは商品やサービスの基本情報の説明だけではなく、顧客の潜在ニーズを汲み取り本質的な課題を解決しなければいけません。
さらに「また会いたい」「信頼できるから契約したい」と顧客に思わせるスキルも必要です。
このように、ソリューション営業のスキルやテクニックがマストである現代だからこそ、営業研修は多くの企業で重要視されています。
営業研修の費用の相場は内容やスタイルによって異なる
外部の営業研修を活用する際、気になるポイントが費用です。費用の相場は、以下のように内容やスタイルによって異なります。
- 講師派遣型:1日約10〜30万円程度
- 公開講座:1人につき1日約1〜5万円程度
- eラーニング:1教材につき約1万円程度
講師派遣型は、講師とコミュニケーションが取りやすいところがメリットです。対して公開講座では他企業の社員とともに研修を受けるため、よい刺激を得られるというメリットがあります。
eラーニングは時間を問わず受けられるスタイルで、スペースも必要ありません。そのため、大人数で研修を受ける場合に最適です。
それぞれの特徴や費用対効果を踏まえたうえで、研修のスタイルを選びましょう。
新入社員以外に営業研修を行う理由
営業研修は、新入社員のみに必要と思われがちです。しかし中堅社員や管理職が営業研修を受けることで得られるメリットもあります。
以下、詳しく解説するのでご覧ください。
中堅社員がより精度の高いスキルにアップデートできる
中堅社員であっても、ベテランの社員と比較して、営業スキルに差がある場合があります。たとえば、後輩社員のマネジメント力、営業戦略の構築力などが挙げられます。営業研修を受けることで、これらのスキルを向上させることができます。
また、時流の変化に伴って、顧客のニーズや課題も変化しています。それに対応するためにも、営業スキルのアップデートが必要です。時代や状況に合ったアプローチをするためにも、中堅社員以上でも研修を受講することが重要です。
営業スキルを高めることで、より多くの顧客から支持を得ることができ、売上アップにつながる可能性があります。実力を発揮している社員であっても、研修を受けることで更なる成長が見込めます。営業研修によって、社員のスキルアップや成長につながり、企業の競争力向上に貢献できることでしょう。
管理職向けのスキルやノウハウを学ぶことができる
管理職にも営業研修は効果的で、得たスキルやノウハウはさまざまなシーンで活躍します。例えば、他社との業務提携や商談などが挙げられます。
また、管理職は部下をマネジメントするのが主な役割です。人の動かし方や育て方など管理職向けの知識を取り入れることで、間接的に売上アップを図れます。
成果が出にくい営業パーソンの3つの特徴
成果が出にくい営業パーソンには、共通した3つの特徴があります。自社に伸び悩んでいる営業パーソンがいるのであれば、以下のいずれかに当てはまるのではないでしょうか。
顧客のメリットよりも自社の利益を優先する
顧客のメリットよりも自社の利益を優先してしまうあまり、顧客に信頼されないケースです。
利益を重視することは大切ですが、それが顧客に伝わってしまうと「押しつけがましい」「私のメリットを考えていない」と思われてしまいます。顧客は、押し売りのようなスタイルには特に敏感です。信頼されて契約につなげるためには、相手のメリットを重視して提案しなければいけません。
お互いWin-Winの関係でいられる、顧客の立場に寄り添った営業がよい営業です。
顧客が望んでいる範囲を超えない
営業をしていて顧客が望んでいる範囲を超えない場合、話は聞いてくれたとしても契約までには至りません。
先述したように、今は消費者が自由に情報を手に入れられる時代です。商品の購入やサービスの申込みもインターネットで簡単にできるため、顧客の期待以上の情報を提供する必要があります。
もっと話を聞きたいと思わせるような知識やスキルを持ち、顧客が期待した以上の提案をすることが売上アップにつながります。
聞くことはできても魅力的な改善案を提案できない
聞くことはできても、魅力的な改善案を提案できないようであれば顧客の心は動きません。
契約につなげるには、顧客が抱えている課題や潜在ニーズを汲み取り、それに合った改善案を提案することが大切です。
そのためにはあらかじめ課題を仮定して行う商談前の入念なロープレが有効です。
営業研修を価値あるものにするための5つのポイント
営業研修を活用する場合、ただ話を聞いているだけでは十分な効果が発揮できません。価値のある営業研修にするためには、以下の5つのポイントを意識してみましょう。
研修を通して解決すべき個人・組織の課題の明確化
営業研修を受ける際は、あらかじめ個人および組織の課題を明確にしておく必要があります。
課題が不明瞭だと、研修で得た知識やスキルを何に活かしたいのかが分からず効果が半減してしまいます。したがって、現状を把握したうえで課題を明確化し、研修を通して何を得るべきなのかを共有しておきましょう。
また、同じチーム内では課題を見つけにくい場合もあります。そのときは日頃から接している他部門に聞いて、客観的な意見を取り入れるのがおすすめです。
研修目的の共有と研修のゴール設定
外部研修を受ける際は、研修目的の共有とゴール設定が必須です。あらかじめゴールを設定しておくことで、最適な内容の研修を選定できます。以下、設定するゴールの例です。
- 営業パーソンのスキルを磨いて個人売上目標を前倒しで達成する
- 営業社員の最適な時間の使い方を身につけて、生産性を2倍に向上させる
- 管理職のマネジメント能力を磨いて部門売上高前年比120%を達成する
ゴールは、個人とチームそれぞれに設定しておきましょう。
課題解決に直結する研修(企業・内容)の検討
ゴールの設定が完了したら、課題の解決に直結する研修の選定を行います。外部研修を検討する場合は、以下のポイントをチェックしましょう。
- 研修会社の営業実績や得意分野
- 研修事例
- 臨機応変にカスタマイズできるか
自社が抱えている課題に関して、実績がある企業や得意分野である講師に依頼することで、効果的に営業研修を受けられます。
短期集中ではなく中長期的な研修
営業研修は、短期集中ではなく中長期的に受けることでさらなる成果を得られます。営業研修を行ってもすぐには効果が出にくいため、焦ることがあるかもしれません。講義は受けただけではなく、それを実践していくことで少しずつスキルが身についてきます。 中長期的な視点で見て、定期的に営業研修を受けていきましょう。
とはいえ、スペースや時間の問題から、定期的に営業研修に参加することが難しい営業パーソンもいるのではないでしょうか。その場合はeラーニングを活用し、スキマ時間に効率的に学ぶ方法が合っています。
インプットだけでなくアウトプットも意識
営業研修では、インプットだけではなくアウトプットも意識することが重要です。研修を終えた後に知識やスキルをアウトプットすることで、より自身の頭に定着します。
また、アウトプットではインプットで得た内容を整理して簡潔にまとめるため、本質的な部分の理解が深まります。
営業研修を受けた後は、商談の際に営業マネージャーや研修会社の講師に同席してもらいましょう。
多くの企業におすすめの営業研修のプログラム例・内容
最後に、おすすめの営業研修のプログラム例をご紹介します。身につけることができれば多くのシーンで活躍するため、自社に積極的に取り入れてみましょう。
新人研修におすすめ【営業の基礎】
新人研修には、まずは営業の基礎を習得できるプログラムを活用しましょう。新入社員はまだ営業フローも分からないため、一つひとつの業務を流れに沿って説明する必要があります。
名刺交換や言葉遣い、お辞儀、メールや電話などの基礎的なビジネスマナーの他、アポイントの取り方や商談の流れ、1日の動きなどを研修で学びます。外部研修などで新入社員に一斉に受講してもらえれば、自社で人員や手間などのコストを省略できます。
なるべく早く戦力にするために、営業の基礎を研修で学んでおくとスムーズです。
また、ビジネス実務マナー検定という資格もあるので、研修後に取得するのもよいでしょう。
営業を行ううえでの基礎スキル【提案力】
提案力は、営業パーソンにとって常に磨いておくべき基礎スキルです。SPIN話法などで的確なヒアリングを行ってニーズを汲み取り、魅力的な提案をします。
この営業研修では、課題を見つけられるヒアリングの仕方や提案書の作り方などを習得できます。顧客に響く提案ができるようになれば、売上アップに直結します。
新入社員以外に、中堅社員にも効果的な営業研修です。
製品の魅力を伝える【プレゼンテーション力】
営業パーソンの本領を発揮できるのが、プレゼンテーション力です。先述した通り、今は製品の基礎的な説明だけでは契約に至りません。
基礎的な説明にプラスαで、製品の魅力を存分に伝えて顧客に「使ってみたい」と思わせることが重要です。
そのためには、顧客の心を動かす話し方やスライドの作成方法を営業研修で習得しましょう。
取引先と良好な関係を築く【交渉力】
商談において重要なのは、お互いに利益を最大化して納得できる結論を出せる交渉力です。スムーズに売上を獲得するためには、取引先と良好な関係を築ける交渉力が必要です。
交渉力を高めるには、表情やメンタルの構え方、客観的な視点を身につけます。顧客は十人十色で価値観もそれぞれ違うため、臨機応変に相手に合った交渉をしなければいけません。
営業研修では、交渉力は座学だけではなくロープレを複数回行うと、より実践的で効果があります。
相手の課題を発見する【ヒアリング力】
前提として、提案やプレゼンテーション、交渉を行うにしても顧客のニーズを把握していなければ成約にはつながりません。特に最初のアポイントでは、話すことよりも聞くことが大切です。
前述したように、現代の営業パーソンには相手の本質的な課題を発見することが求められています。そのためには、まずはあらかじめ仮説を立てたうえで的確な質問をし、検証しつつ課題を把握していきましょう。
現在のビジネスで知識を求められる【マーケティング】
マーケティング力を磨く営業研修は、チームのリーダーや管理職におすすめです。マーケティングでは、営業活動で測定した結果を元に分析し、営業方針を決める際に活かします。
このときの分析の仕方や分析ツール、戦略の立て方を営業研修で学びます。基礎的なマーケティングの方法から、具体的な戦略まで総合的に学びましょう。
まとめ
本記事では、営業の研修に関して詳しく解説しました。
昨今では提案力や交渉力、プレゼンテーション力など、営業パーソンに求められるスキルやレベルが高まっています。
その中で売上を上げて結果を残していくには、研修を経て社員のスキルを磨いていくことが必要不可欠です。
株式会社ヴェリサイトでは、営業に課題をもつ企業に対して的確な研修やコンサルティングを実施しています。
新入社員研修から、営業マネージャー研修、管理職研修など、幅広いコンテンツを用意しているほか、顧客に合った研修を提案する「カスタマイズ研修」も提供しています。
社員のスキルアップに課題を感じているのであればぜひご相談ください。